日本昔話風コロナワクチンについて

むかし、とある田舎の村で悪い病気がはやった。

普通の風邪のように、咳が出て熱が出て、元気な若者は一週間も寝ていれば治ったのだけれど、年寄りや病気持ちはコロッと死んでしまう恐ろしい病気だった。

村のお医者先生は

「風邪のようにうつるから、みんな手洗いうがいをするだ。口を手拭いで覆って、つばが飛ばないようにするだ」と言った。

村長は

「用事がないのに家の外に出るな。宴会も寄合も当分やめだ」と言った。

それでも、病気は収まらず、年寄りから次々と死人が出るようになった。

病気で寝込むものも増えて、世話する者の手が足りないようになった。

 

そんな時、隣村の村長がやってきて、

「新しい薬ができたど。うちの村ではもう使い始めているど、ただ、病気が治る薬でなく、元気なものが病気にかかりにくくする薬だ。おめえのところでも使うなら、薬屋を紹介するど」と言ってきた。

これ以上病人が増えなければ、やがて収まるだろうとみんなは喜んだが、村長は

「村のおきてで、すぐ使うわけにはいかん。何か別の病気にならんとも限らんから、元気なもんに使って様子を見る。二月ほど待つんだ」と言った。

 

その二月の間に、何人が病気になり、何人死人が出るんだろうと、みんなはがっかりしました。

 

おしまい